風が吹く空

リーダーに必要な死生観とは

田坂広志氏による各界のリーダーへのメッセージ

田坂広志氏は東大卒業、電子力工学博士であり、現在多摩大学大学院教授、田坂塾・塾長、世界賢人会議Club of Budapest日本代表を務められています。
ハウステンボス(長崎県)で行われた「第2回G1九州inハウステンボス」で、田坂広志氏は参加している各界リーダーへリーダに必要な死生観の重要性をメッセージされています。

リーダーに必要なことは死生観

田坂氏のメッセージの中では、リーダーに必要なことを挙げるとたくさんあるが、一つ挙げるとしたらリーダーが持つべき覚悟は死生観だと言います。
田坂氏が大切にしている経営者への格言として「経営者が大成するには、戦争、大病、投獄のどれかを体験しなければならぬ」というものを紹介。
これは戦前の格言であり、田坂氏も若いときには実感がなかったと言いますが、どれも結局死を覚悟することなのです。

田坂氏の尊敬するダイエーの創業者である中内功さんの『わたしの履歴書』には、多くの戦友が死ぬのを目の前で見てきたが、突撃の一言で散った人はみんな勇敢な人であり、自分は卑怯で未練があったから残ったのだと。
そしてこのときの無念によって流通革命を必死に行っているのだという内容を読んだ田崎氏は、背筋を正さずにいられなかったと言います。

他にも京セラやKDDIの創業者の稲盛和夫氏やセゾングループ創業者の堤清二氏は若い頃に結核で闘病をしています。
また伊藤忠商事会長の瀬島龍三氏は戦争と投獄を体験し、シベリア抑留11年と生死をさまよった時期を経ているのです。
このように経営者は下に何人抱えていても、かれらの生と死を握ることになるという覚悟が重要だと田坂氏は言います。

そして人は必ず死ぬこと、人生は1度しかないこと、いつ死ぬか分からないという3つのことを直視できれば死生観は定まると田坂氏は言っています。
確かにいつ死ぬか分からなければ今日が必死で生きることができ、このような気持で生きているからこそ何人、何十人、何百人、何千人の部下の生と死を握ることができるのだというのです。

スティーブン・ジョブズに見る死生観

田坂氏のメッセージにはスティーブン・ジョブズの死生観の話も出てきます。
スティーブン・ジョブズのスタンフォード大学卒業式のスピーチで、彼は「今日が人生ラストの1日であれば、それでも自分はこの仕事をやりたいかと問いながら生きてきた」と言っているのです。

彼が才能を開花したことも、そんな生き方にあるのではないかとのこと。
そしてスピーチでは「今日がラストの日であると思って生きれば、いつかはそれが真実になる」とも言っています。
必ず訪れる死がいつ来るか分からないからこそ、今日を大切に最大に生かすことができるということであり、それこそが最大のパワーを出すことなのだと田坂氏は言います。