手元供養

埋葬しないという新しい供養の形

「手元供養」という言葉はここ20年くらいの間に少しずつ知られるようになった新しい葬儀と埋葬の方法です。

従来までの人の葬儀方法は最終的に「埋葬」をするということが前提となっており、埋葬をよりやりやすくするために火葬をしたり家ごとの墓石を作ったりという文化風習ができました。

しかしそうした「埋葬する」という方法は宗教的な意識が背景となっており、現代人の無宗教に近い意識には合わないものになっていたりします。

また墓石を家族が引き継いで所有していいくというスタイルもずっと一家が同じ土地で生活をしていくという習慣が崩れてしまったことにより逆に所有をすることが負担に感じられるというケースも増えてきました。

そこであえて埋葬するということを選ばず、ずっと自宅で供養をしていくようにしたというのがこの「手元供養」」となります。

「手元供養」という言葉は何らかの宗教や風習がもとになっているものではありませんので特に「こうしなければいけない」というしきたりや作法があるわけではなく、それぞれの家族が自分たちなりの方法を選んでとっていくということになります。

現在では葬儀社や葬儀に関するサービスを提供する企業などで手元供養の新しい方法やグッズなどを提供しており、それらの中から家族と故人の望む方法をとっていくようにします。

一般的な手元供養の方法

特別に方法が決まっているわけではない手元供養ですが、基本的な定義となっているのが「遺骨を埋葬せず手元に置いて保管していく」ということです。

葬儀を行ったあとにはそれぞれの地域に火葬場で遺体を遺骨にしてもらいますが、その後には骨壷に入れられた状態で一旦遺族に手渡されます。

仏教式に従えばその後一旦自宅の仏壇の前に置き、その後時期を見てお墓に骨を入れる「納骨」をしていきます。

一般的な仏教式の葬儀方法ではいつまでに納骨をしなければいけないという決まりはないのですが、法要が四十九日で一区切りになることからそれまでに行うようになっています。

納骨や四十九日の法要をするためにはお寺の手配や墓石への戒名の字彫り、親類など法要への参列者への連絡と食事と引き出物の手配といったさまざまな準備が必要となります。

手元供養はそうした手配を一切行わず、持ち帰った遺骨を別の形で保管をしていくことになります。

保管をする方法としては「納骨容器型」「ペンダント・リング型」「加工型」の三種類があり、これらを組み合わせて行っていきます。

「納骨容器型」では遺骨を専用の陶器やガラスなどの入れ物に入れて、それを仏壇やその代わりになる場所に収めて自宅で供養します。

「ペンダント・リング型」や「加工型」は遺骨を別の形となるように手を加え、自分の身につけられるものとしていきます。

ここ最近の手元供養の傾向

手元供養はここ最近になって行う人が増えてきたため、その方法やサービスもかなり幅広く提供されています。

例えば自宅に置く「納骨容器型」であってもただの骨壷ではなく部屋のインテリアの一部として馴染むようなキレイなオブジェに収めるようにしていたりといった感じです。

ペンダントやリングの場合にも、遺骨の一部をカプセルの中に入れてそれをアクセサリーとするのが一般的ですが、そのデザインや素材もさまざまでちょっと見ただけでは遺骨が入っているとはわからないようなものもたくさんあります。

最も進化しているといえるのが「加工型」で、新たな技術により遺骨からダイヤモンドを作ったり、陶土に入れてセラミックとして焼き上げるなどといった方法が手軽にできるようになりました。

ただし手元供養の場合、遺骨すべてを置いておくことができるわけではありませんので手元供養にする遺骨の最終的な置き場所についてはしっかり考えて対応をしていくようにする必要があります。

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