海洋散骨

実は地上への散骨よりもハードルが低い

自分が亡くなったあとにはお墓に入れるのではなくお骨を自然に帰してほしいという人が行うのが散骨ですが、実はどこでも自由にやっていいわけではありません。

散骨という方法がとられるようになったのは今からだいたい20~30年くらい前からのことですが、当時はあまり方法自体が一般的でなかったということと施設や法制度が整っていなかったこともあり、遺骨を全国あちこちに持込んで自由に散骨をするという人もいたようです。

しかし遺骨を勝手に散布するということは、他人の敷地内に人の遺体の一部を放置するということになりますので衛生上の問題も含めて大きな問題になりました。

そこで現在では散骨をするにしても事前に許可がない場所では行ってはいけないこととなっており、自由に故人が好きだったところに散布をするということはできません。

そんな敷地の問題が起こる地上での散骨に対し、比較的問題なく行うことができるのが海上です。

というのも公海上は地上のように誰かの持ち物という権利が定められているわけではありませんので、そこに散骨をしたからといって特に誰かの権利を侵害することにはならないからです。

海上の管理は海上保安庁や法務省、運輸省といったところが場合により行うことになっているのですが、そのいずれもはっきりと「散骨は禁止」としているわけではありません。

すなわち地上で散骨をするよりもずっと自由度が高く、場所を選んで行うことができるということになります。

漁場や航路を避けるようにする

そうした規制のゆるさもあって、有名人などが亡くなったあとに海上で散骨をするというケースもよくあります。

比較的最近の事例では芸能リポーターの梨本勝さんの遺骨を遺族の方が海上に散骨したということが多く報道されていました。

ただこの梨元さんの散骨は小さなボートで申し訳程度に海に出て、そこに散骨をしたというものなのでちょっと海洋散骨の方法としては完全によしとされることではありません。

一般的な海洋散骨として行われているサービスでは、より沖の方に船を出してそこで散骨をするという方法がとられています。

というのも散骨をするときにその場所が漁場の近くであったり、船が多く通る航路であったりする場合には地上での散骨同様のトラブルが発生する可能性が高いからです。

ですので現在散骨を扱うサービスをしている企業ではそうした他の海に関する業務が行われているところを避けて行うようにしているのが一般的です。

依頼する企業によってはほんのちょっと海に出て行うといったお手軽なプランにしていることもありますが、そうした方法はのちのち大きなトラブルの原因になることもありますので選ぶ時には十分に注意するようにしましょう。

海洋散骨のルールとマナー

比較的自由度の高い海洋散骨ですが、今後マナーの悪い散骨が多く行われるようになってしまった場合より厳しい規制を受けてしまう可能性もあります。

ですのでこれから海洋散骨をするという場合には最低限のマナーを守るようにしておきたいところです。

海洋散骨を行う場合に守るべきルールとしては、まず「不法投棄にあたるようなことはしない」ということになります。

例えば散骨をする場合にはお骨を入れた袋を海上に落とすことになりますが、このとき普通のビニール袋を使用するといつまでも海上を漂うことになりますし、誤って食べた海洋生物や鳥などが被害を受けてしまうこともあります。

そのため海洋散骨では時間が経つと自然に溶けてなくなる水溶性の袋が専用に用意されています。

また散骨をするときには一緒に花を手向けたくなるところですが、このとき普通の仏花をそのまま海に落としてしまっては同じように海を汚す不法投棄になってしまいます。

海洋散骨をするときには必ず花は茎から花弁を外して花びらの部分だけを散布するようにします。

その他にも故人が好きだったものや愛用していた品物を一緒に海に流したいと思う遺族の方もいるようですが、そうした場合も海洋を汚さないように気をつけて大きなものは遠慮するようにしましょう。

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