死後に目指す境地とは

私達はこの世に生まれたからにはいつかは必ず死ぬという宿命を持っています。

しかし日本における一般的な宗教観では人は亡くなったあとには再び何らかの別の生命として復活し新しい命をもつ存在としてよみがえるというふうに考えられています。
「輪廻」「転生」といった言葉もよくドラマや漫画などに登場するモチーフになっていますが、果たして本当に宗教的に意味していることとはどのようなものなのでしょうか?
輪廻や転生はそれ自体がひとつの現象として扱われることが多いのですが、実際にはこれらは仏教的な教えの中のほんの一部でしかありません。

仏教による教えでは人は亡くなるとまず「中陰」という状態におかれます。
中陰は日本では「冥土」と呼ぶこともあり、49日間をかけて閻魔大王からの裁きを受けることとなっています。
閻魔大王はその人が現世で行ってきたことを鑑みて六道という6つの世界の中からその人が行くべき道を定めます。
なお日本においては亡くなったあとには三途の川があり、それをわたったあとに閻魔大王の前にゆき、そこで着物の重さを測って生前の罪を判断されるというお話がありますが、これは仏教とは関係なく日本独自に作られたものとなっています。

六道における6つの世界とはそれぞれ、

天道 …神々の世界。快楽の中で長生きをすることができるがいつかは亡くなり再び輪廻に入る。
人道 …私達のいる現世のこと。唯一仏の教えを受けて輪廻から抜け出すことができる世界。
修羅道…嫉妬に燃える阿修羅たちが天道の神を相手に戦いを続けている世界。
畜生道…人間以外の動物の世界。常に生命の危機にあり、生きるための戦いをしなくてはならない。
餓鬼道…欲望の強いものが生まれ変わる世界。常に飢えと渇きがあり、満たされない欲望を感じ続けてしまう。
地獄道…もっともつらい世界。罪深い者が8つの地獄の中で絶えまない責め苦を受ける。

となっています。

考えようによっては人の死というのはその世界から別の世界に移動する一つのきっかけであるということになります。

生死を繰り返すということは輪廻をし続けることですが、すべての人が最終的に目指すのは「解脱」というこの輪から抜けだすということです。
輪廻から抜けだすことを「涅槃」ともいいますが、その先にあるのは一切苦しみのない清らかな世界である「極楽浄土」です。
極楽浄土は六道の一つの天道と違い、二度と輪廻に戻っていくことはありません。

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