生霊とは

日本における死生観によれば、人は亡くなると霊魂となりあの世に旅立つ肉体を離れた存在になると言われています。

人が亡くなったときには遺体を火葬して白骨になったものを土中に埋めますが、その人の霊魂は白骨になったときにはその中には宿っておらず既に宙を舞ってあちらの世界に向かっているというふうに捉えられます。

亡くなった後の姿である霊魂の行方については、仏教においては六道輪廻や転生、閻魔様の裁きといったようにかなり細かく行き先が示されています。

死生観においては日本では仏教とかなり近いものとして扱われている神道においても、他宗教であるキリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教でも死後の世界については非常に事細かに教典に記載されています。

ですが、そうした亡くなった魂(死霊)とはまた別に、この世に生きた体がありながら霊魂として別の存在となるものもあります。

それが「生霊」です。

 

生霊とは死霊とともに、日本神道で古くから伝えられてきている存在です。

仏教においても真正仏教では生霊の存在を認めており、欧米など他の地域においても人の肉体を離れた存在が遠方に出かけて何かをしたり見聞きしたりするという事例がさまざまな形で報告されています。

欧米においては「黒魔術」として意図的に生霊(的存在のもの)を作り出す方法が伝えられていたりし、日本においても生霊はどちらかといえばよくない行いをする邪念としての存在として捉えられていることも多くなっています。

宗教によって捉え方は少しずつ違うものの、概ね一致しているのは生霊とは本人のあるべき魂がそのまま抜けたものではなく、強い感情を持つことにより生まれた念が本人の意思から離れて独立した行動を取るようになった化身ということです。

日本においては幽霊代表されるように人の強い情念が別の力となることが民間伝承的に強く信じられているため、生きている間に持った感情が何らかの存在として独立することにそれほど抵抗感がないということもあるでしょう。

生霊は本人の自覚しているところとは別で、「憎い」「羨ましい」「そばにいたい」といった気持ちが深層的に湧き上がったときに発生するというふうにも言われます。

身の周りに不幸が続くので神社で見てもらったところ「生霊がついた」といわれることも有るそうなので、生きている人の魂は亡くなってからの姿同様今を生きる私達の生活にかなり密接な関係を持っているようにも言うことができます。

 

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