沖縄の伝統文化としての先祖崇拝

日本の他の地域にも先祖崇拝の文化はありますが、中でも独自の進行としてより長く親しまれてきたのが沖縄地域です。
沖縄では独自の信仰形式として祖先を崇拝する文化があります。
日本の他の地域では神道や仏教がメインとなっており、その他の民間信仰として同時並行的に祖先崇拝が行われてきたものですが、沖縄においてはそれら宗教とは全く違った独自文化として祖先崇拝は発展してきているのが特徴です。
沖縄の宗教は世界中に同じ物を持たない非常に特殊かつ奥が深いものなので、研究書にすればシリーズものとして何十冊分にもなります。
そんな沖縄の独自の宗教や祖先崇拝の形について少しさわりの部分だけを説明してみようと思います。

沖縄の人は、良い出来事や悪い出来事があったとき、神様ではなく祖先に対して報告したり感謝をしたりします。
沖縄の祖先崇拝の伝統文化によれば、人は死後33年がたつと神となるとされており、神となった先祖さまたちは子孫の幸福と繁栄を見守る存在となります。
沖縄独自の信仰としては、「火の神信仰」や「ニライ・カナイ」など数多くのものがあるのですが、中でも祖先崇拝は時代ともに昔ながらの宗教観が薄れつつある現代にありながら、今もなお多くの人に支持されています。
祖先崇拝の行事としては、お盆の時期やお正月、清明祭(注:シーミー。旧暦3月に訪れる「清明の節」を祝う行事)に先祖を迎え入れる儀式を行ないます。
この祖先の霊を祀る行事を総称して「先祖祭」ということもあります。

沖縄独自の季節行事である「清明祭」は沖縄での行事の中でもとても重要度が高く、ほとんどの島民が何らかの形で参加をします。
清明祭は中国暦法を起源とするもので、二十四節季の一つである「清明」に行われるものと決められています。
清明祭では、一家のご先祖様のあるお墓を管理する家に親戚一同が集まり、お線香を上げたりお花を供えたりします。
重箱料理を作ってみなで食べたりもするというので、まるでお正月のような雰囲気にもなります。

清明祭(シーミー)は沖縄全土が全て同じ日に行うわけではなく、地区や門中(父方血縁に関連する文化的な集団のこと)によって別々の日に行われることがあります。
重箱を先祖のお墓のところまで持ってゆき、屋外で広げて食べることもあるそうです。
門中は多いところで50人を超えるところもあるというので、ちょっとしたコミュニティと言ってもよいほどです。
沖縄における先祖崇拝は、より自然との距離の近い行事になっているようです。

Comments are closed.