お墓を作らないという方法

従来までの風習にのっとれば、葬儀が終わった遺体は火葬場で焼却され、しかるべき日数をおいてからお墓に収められるものという順序が常識とされてきました。
ですが、最近では生まれ故郷に骨を埋めることをあまりよく思わず、自分だけのお墓を用意したり、または思い切ってお墓自体に入らないようにしてもらうという人も増えてきているようです。
家族葬や音楽葬といった、お坊さんの出席しない身内のみで行う葬儀も多くの場面でとられるようになってきており、今後は生前に自分の葬儀や遺骨の処理、入るお墓の種類などを指定しておくという人もあたりまえのようになっていくのかもしれません。

数年前に、お墓に入らず遺骨を海などに流す「散骨」が一大ブームとして多くのメディアに取り上げられたりしました。
お墓に入らず自然に帰るという発想が多くの人に受け入れられたというところまでは良かったのですが、それがあまりにもブームとして大きくなりすぎてしまったために、散骨によって近隣住民が大きな迷惑を感じるようなこともあったようです。
現在までのところ、自治体として散骨を禁止している場所は全国に6ヶ所あり、特に北海道では広く散骨する場所を制限しています。
日本で一番最初に散骨を禁止した自治体は北海道長沼町でしたが、これはブームに乗じた悪徳業者のために起きた事件であったと言えます。
簡単に経緯を追ってみると、当時有限会社北輝行という会社がNPO法人として名前をかたり、長沼町から公園用として用地を買取ました。
北輝行はこの公演用用地を最初から散骨用に使うつもりだったのですが、墓を立てるわけではないと、墓地としての許可を得ていなかったのです。
その後、持ち込んだ散骨を無許可のまま土地に放置するという行為を行い、中にはあきらかに人骨とわかる状態の骨まで放置をするということもあったようです。
これに近隣住民が迷惑を訴え、以後同様の苦情が申し立てられた自治体が次々に散骨禁止を条例で定めるようになっていきました。

国内においてはなかなか文化的は反発もあり、好きなところに散骨することはできませんが、海外などでは比較的ゆるく散骨が許されているようです。
お墓を作るかどうかや、どのお墓に入るかについては、亡くなってからのことなので本人にとてはあまり関係ないことと言えるかもしれません。
ですが、もしどうしても行なって欲しい葬送の方法があるのであれば、事前にきちんと確認をとっておき、迷惑のかからない方法で行うことが大切です。

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